製造、調達、保管、輸送——サプライチェーンを構成するあらゆる現場には、それぞれ固有の「環境」があります。製造現場の機械温度、倉庫内の湿度、原材料の保存条件、作業場の粉塵濃度。これらはすべて製品品質に直結する情報でありながら、意外なほど多くの現場ではまだ「目視確認＋手書き記録」が続けられているのが現実でした。

ですが、問題は記録方法だけではない。仮に環境情報を記録していたとしても、それが即時に見える状態になっていなければ、トラブルの予兆は見逃されます。異常が起きた時に「その温度は何度だったか」「湿度が基準を超えたのは何分間か」といった情報を、すぐに遡れない環境そのものが最大のリスクです。

私たちが提案するのは、単なるセンサーデータの収集ではない。環境情報そのものを、業務フローの一部として扱えるようにすることです。TrackOneは、生産設備に組み込まれたIoTセンサーやPLC、外部の環境監視デバイスから直接データを取得し、それらを商品・作業工程・拠点単位でひもづけ、リアルタイムに可視化・記録・共有できるプラットフォームです。

TrackOneでは、各機器やセンサーからのデータは自動的に時系列で記録され、温度・湿度・振動・気圧などの多様なパラメータをノーコードで設定した条件に基づいて即時に評価できます。異常が検出されれば、設定された業務担当者にアラートが届き、その通知内容は履歴として残り、帳票にも自動反映されます。

この仕組みにより、たとえば以下のような環境管理が可能になります：

• 生産現場における加工温度や装置内圧の記録と、品質異常との因果関係の可視化
• 調達時の輸送温度の追跡と、納品検品時の品質判定への反映
• 倉庫内の湿度異常を自動検出し、対象商品の在庫リストと紐付けた対応記録を生成

従来のように、異常が起きてから現場に確認し、紙の記録を探し、関係者にヒアリングを行ってからようやく「何が起きていたか」を把握するというプロセスは、すでに時間とコストの面で限界に達しています。TrackOneは、「現場に行かなくても現場が見える」状態を構築し、環境情報を“証明可能な経営資源”へと変えます。